2023-04-07
カウンセリングルーム名称の由来。

私たちは皆、苦しみの中に生きています。
楽しいこと、うれしいことは存在しません。一滴もありません。

この苦しみはどこから生じているのでしょうか。

それは、世の中の道理を理解していないためなのです。

では、世の中の道理とは何か。

aniccaであります。
aniccaとはパーリ語(紀元前よりインド中心に使われていた言語)で、日本語では「無常」にあたります。
永久に同じ状態を継続することはなく、絶えず変化し続ける、の意味です。

世の中のあらゆる物事(愛、平和、戦争、といった抽象的なことも含めて、そして私の体や心も含めて)はaniccaなのです。

わたしたちは、変化し続けるものを制御することはできません。
制御できないにも関わらず、自分のものにしたり、気を引こうとしたり、逆に避けようとしたりします。

例えば、幸せな家庭を築く、愛する人と一緒になる、社会的な地位を手に入れる、病気のない健康体を維持する、これらは全て無駄な努力です。
なぜなら、世の中のあらゆる事象はaniccaだから、あなたが制御することはできないのです。

変化し続けるものに執着することから苦しみが生じます。

従って我々は、(もし苦しみから逃れたいのならば)、世の中のあらゆること(自分の体や心も含めて)への執着を手放さねばなりません。

それでは、あらゆる物事への執着が無くなったとき、ここに何が残るでしょうか。私の自我が全く何もない状態です。

そして、私の隣の人も同じ状態になったと仮定しましょう。
そのときの、私と隣人との間に何らかの差はあるでしょうか。

おそらくその差を見出すことはできないでしょう。
そして、そこに残ったものは宇宙の根本原理と同一であると説かれます。

この説のことをサンスクリット語でアドバイタ、といいます。英語ではノンデュアリティ、といいます。
日本語では、不二一元論とか非二元論、などとよばれます。

物事の執着の拠り所となっている自我 = 自分の心、を手放す、これが当カウンセリングルーム名称の由来です。